能『邯鄲』案内、漫画

能楽師・宝生流シテ方東川尚史さんによる『邯鄲』
案内のイラストを担当いたしました。
七葉會 2022年12月24日(土)午後2時開演 
宝生能楽堂(水道橋)


中国・唐の時代(800年頃)に書かれた「枕中記」が原典。
主人公の盧生が、邯鄲で道士の呂翁に出会い、枕を授けられる。
その枕で眠りについたところが、まだ粟の飯が炊き上がる前に、
自分が立身出世を果たし、栄達の限りを尽くして死ぬまでの間の出来事を夢みた。
それによって、盧生は人生の儚さを悟った、という話。

謡の詞も魅力的です。「百年の歓楽も。命終わればゆめぞかし。…… 何事も一炊の夢。」

一畳くらいの台の上が舞台の中心で宿であり、宮殿となる舞台装置です。
その狭い台の上での盧生(シテ)が舞を舞います。
最後は勢いよく台に飛び乗り枕に横たわって夢から覚めます。
扇子ではなく団扇での舞は新鮮でダイナミックでした。
異国情緒を感じました。